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ドトール誕生秘話 ピント・フェライス物語

“時代”が呼んでいる。

’70年代が終わると、時代は低成長期へと変わりつつありました。人々のサイフのひもはかたくなり、日々の生活はますますせわしなくなっていきます。一方、コーヒーはもはや限られた人の贅沢な嗜好品ではなく、大衆の必需品としての地位を獲得しつつありました。「確実に時代の追い風が吹いている」。そう感じとった鳥羽は、今こそヨーロッパの国々で見てきたあの立ち飲みスタイルの、コーヒーショップをつくろう! いや、人々の“安らぎと活力”のためにも、ぜひつくらなくてはいけない、と義務感にも似た思いにかられました。機が熟したのです。ヨーロッパでカルチャーショックを受けてから、約10年の歳月が流れていました。

立ち飲みスタイルの元祖的存在、ドイツの「チボー」。