鳥羽青年を乗せた「あるぜんちな丸」は、横浜からロス、パナマ、ベネズエラと42日間の航海を経て、ついにリオデジャネイロの港に接岸しました。憧れのブラジルに第一歩をしるした鳥羽は、そののち、見るもの聞くものに感激と驚きの日々を送ることになります。
道で知り合いに会うと「コモ・バイ!(やぁ、しばらく)」「トマ・カフェ(コーヒー飲もうか)」とバールと呼ばれるドトールコーヒーショップのような店に入ってサッカーの話に興じ、また時間をつくってはコーヒー農園を訪ねて作業工程を学び、現場監督として現地の労働者と共に汗を流しました。
地平線の彼方まで広がる広大な農園。そこにお城のような農園主の家と自家用の飛行機が。そんな光景を目のあたりにした夢多き青年が、「いつの日か、自分も農園主になりたい!」と野望を抱いたとしても不思議ではありません。
喜望峰経由の乗船チケット