アカネ科コフィア属の常緑樹である「コーヒーノキ」の果実、コーヒーチェリーに含まれる種子がコーヒー豆と呼ばれています。主に流通しているのはアラビカ種とカネフォラ種、そしてアラビカ種とカネフォラ種を交配するなどして、品種改良も進んでいます。
アラビカ種
原産地 | エチオピア周辺 |
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生産比率 | 世界総生産量の約60% |
栽培条件 | 気温/15〜24℃ 標高/450~2,300m |
特性 | 原則、平均気温が20℃前後の高地で生育。ハワイのみ低地での生育がされており、栽培条件が限られている。 |
生豆の形 | 平べったい長円形 |
アラビカ種はエチオピア周辺が起源であり、各地を伝わって中南米へ辿りついたと言われています。
インド、ジャワ島、ヨーロッパ、マルティニーク島を経て中南米へ渡ったティピカ、ブルボン島(レユニオン島)を経て中南米へ渡ったブルボンの2種が現在のアラビカ種のベースとなっています。
カネフォラ種
原産地 | コンゴ周辺(ロブスタの場合) |
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生産比率 | 世界総生産量の約40% |
栽培条件 | 気温/24~30℃ 標高/低地栽培可能 |
特性 | 主に平均気温が25℃前後の比較的低地で、アラビカ種よりも雨が多い地域で栽培される。 |
生豆の形 | 丸みを帯びた楕円形 |
さび病に弱いアラビカ種に代わるものとして発見された病害虫対策の品種で、カネフォラ種の大半を占めているのは、ロブスタという品種です。コンゴ周辺を原産とし、以降各地へさび病対策として生産が広まりました。ブラジルで生産されるカネフォラ種はコニロンと呼ばれています。
育苗をはじめてから5ヶ月〜1年後に定植され、順調に生育すると2〜3年後開花し、そこから半年〜11ヵ月後に収穫時期を迎えます。 コーヒーは天候の影響を受けやすい栽培作物のため、安定的かつ長期的に生産するべく、様々な栽培技術が培われています。
- 1.育苗
- 苗床、もしくはポットに種子をまきます。種をまいてから40〜50日で発芽します。
- 2.定植
- 種子をまいてから5ヶ月〜1年後の雨期に、20〜50cmに育った苗木が定植されます。
- 3.開花
- 順調に生育すると2〜3年でジャスミンのような香りのする白い小さな花をつけます。花の寿命は2〜3日しかなく、アラビカ種はその時期に自家受粉を行います。
- 4.結実
- 開花後まもなく実が現れ、6〜11ヶ月後に赤く熟し、収穫となります。一般にアラビカ種は実が成熟するまで6〜8ヶ月、カネフォラ種は9〜11ヶ月かかります。