理想のドイツ・タイプのソーセージを求めて
ジャーマンドックのソーセージの味は、鳥羽博道が欧州視察の際にハンブルクの街角で食べた味─ソーセージというのは、こんなにおいしいものだったのか!と感動した味─が原点となっています。しかし、魚肉ソーセージが主流の当時(1980年)の日本では、そんな“粗挽き手作り天然羊腸のソーセージ”など、どこを探してもありませんでした。
ただ一途においしいソーセージを求めて世界各国を駆け巡り、ようやくドイツで理想の味を見つけたのですが、当時は輸入規制対象商品のため、日本への買い付けを断念せざるを得ませんでした。
─どうしても日本で“あの味”を再現したい─そんな熱意を胸に、海外でも数々の賞を受賞している日本のハムメーカーと共同開発をスタート。試作に試作を重ねて、ついに理想のソーセージが生まれました。
熟練の職人が肉の品質に合わせて練る
精肉工場でスジや体毛、異物などを手作業で丹念に取り除いてから届けられた肉は、まず牛、豚と肉の種類ごとにチョッパーで挽肉にされます。
さらに細かくペースト状になるまでサイレントカッターという機械で練り上げます。練り上がるまでの時間やカッターの刃の回転数は、最新の機種ではコンピューター制御により、ボタンさえ押せば誰でもカッティングができるようになりました。しかし機械ではどうしても微妙な肉質の差が判断できません。そのためジャーマンドック用のソーセージに関しては、開発当初から専従の職人(カッターマン)が、肉質に応じて微妙に回転数や時間の設定を、その都度変えているそうです。
なぜ、ここまで微妙な練り具合を重視するかというと、これによってソーセージの食感が大きく左右されるからです。練ることによって肉に含まれているタンパク質が引き出され、弾力と粘りが出てきます。これが、ソーセージを口にしたときの、あのなんとも言えない弾力感となるのです。
香辛料はドトールコーヒーだけの
オリジナル・レシピ
味付けに使われる香辛料は、世界でも3本の指に入るといわれるドイツの一流メーカー、ハーゲジュード社製のもの。胡椒を主体にしたジャーマンドック・ソーセージ用のオリジナル・レシピです。さらに、日本人の味覚に合わせ、ごく少量ながら和風の調味料を隠し味に加えた、世界でたった1つしかない味なのです。
皮は天然の羊腸を使用
あのパキッとした感触は、天然の羊腸ならではのものです。一般には人工の皮(ケーシング)を使っているソーセージも多いのですが、歯ごたえの点では天然羊腸とは比べものになりません。
しかし天然のものを使っているための苦労も数多くあります。
1つはできあがりのサイズにバラ付きが出てしまうという問題です。これに対しては、入荷した腸の中より特定の太さの部分のみをジャーマンドック・ソーセージ用に使用することでサイズの均一化をはかっています。
もう1つが腸に付着する不純物の問題です。入荷した腸は丹念に洗浄されて、内容物や体毛などは除去された状態で入荷しますが、羊腸の内側などにどうしても細かい毛が残ることがあり、工場でもう1度1本1本丹念にチェックしています。
ブナ材のチップを使ったマイルドな風味
通常、スモークには桜の木のチップが使われますが、ジャーマンドック用ソーセージは、ドイツから招いた技術顧問からのアドバイスでブナを使用しています。ブナから出る煙には、いわゆるいがらっぽさがあまりなく、風味がマイルドに仕上がります。
スモークした後に、今度は蒸気を室内に満たすことで、内部の肉まで充分に火を通します。食品衛生法では、食肉加工品は63℃で30分間熱を加えるか、それと同等の加熱をするという基準が設けられていますが、ここでは75℃まで加熱しています。