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コラボ企画を成功に導いた社員が見た、商品開発を通して「幸せの連鎖」を実現する未来 A.Kuroki

A. Kuroki
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レクセル企画課の課長を務める黒木 綾。「商品開発がしたい」という強い想いを胸にドトールコーヒーへと飛び込んだ彼女はどのような経験を積み、どのようなビジョンを描くのでしょうか。「苦節の一年」や「コラボ企画」を通してたどり着いた「幸せの連鎖」というビジョンについて、黒木が自分の言葉で語ります。

商品開発者として生きていく! 二度の転職を経てドトールへ

幼いころより母の影響もあり、食や料理に興味を持っていました。なので、将来は食に関わる職に就きたいと漠然と思っていたんです。そんな中、ちょうど高校生の進路を決める時期に、たまたま新聞で「コンビニで無添加のパンを発売」という記事を目にして。大学では栄養学を専攻することにしました。

そして就職先を決める際に、コンビニエンスストアの商品だと全国の方に手にしていただける商品づくりに携われる上に、ジャンルも幅広いため多くのことを学べると感じ、コンビニエンスストアの商品開発に従事することを決めたんです。

市場調査を行い、企画・開発・提案・工場への落とし込みと一連の業務に携わり、商品を世に送り出していくというスタイルは、社内外の方とも関わりとても学ぶことも多く、大変充実していました。

しかし、365日24時間稼働工場という環境下での商品開発でしたので、夜勤でのラインテストなど、体力的に将来続けていくことに不安を感じ……。将来的に長く働いていける環境を求め転職することにしたんです。

今度はメニューの商品開発ではなく、その大もとである素材についての知見を深めようと思い、原料メーカーを転職先に選びました。将来的には、またメニュー開発職に就きたいと思ってましたので、派遣社員として働きながら管理栄養士の資格取得や製菓学校に通い、知識と技術を習得し、転職活動へつなげていきました。

原料メーカーでは、基礎研究や応用研究が主で、「やはり直接お客様(エンドユーザー)に喜んでいただける商品開発をしたいなぁ」と思い、飲食業界に絞って活動。その中で出会ったのがドトールコーヒーでした。

勤務地は関西から遠く離れた東京。しかし、どうしてもメニュー開発がやりたくて単身上京しました。

しかし入社初日、その希望は打ち砕かれます。組織変更によって担当業務も変更になってしまったのです。目の前が真っ暗になりました。ただ、今辞めてもニートになってしまう……。とりあえず生活するには、やるしかない! 何ごとも経験となりプラスになるはずだと思い、仕事にまい進しました。波乱のスタートでしたね(笑)。

苦節の1年。でもそれがあったから今の私がある

最初の1年間は、主に店舗運営のサポートやアシスタント業務を行っていました。やりたいことができると思って転職したのに、それができない現実。「このまま、ここにいていいのだろうか……」と思うことも多々ありました。

男性に囲まれた職場で、業務も未知の領域。でも、辞めずに続けられたのは周囲の人に恵まれていたからだと思います。何気ない声がけや気遣いには大変救われましたね。

そうして何度かの組織変更により、販促企画や企画推進、デザイン制作の部署で経験を積みました。今となっては「あの経験があったから今がある、視野を広げられた、考え方の幅を広げられた期間だったな」と思えるようになりました。

この経験から身についたのは「とりあえずやってみよう」の発想と好奇心ですね。大変そう……。でもやってみよう。やったことない……。でもやってみよう。そういったチャレンジ精神は現在の業務にも生かされていると感じますね。

あとはメンタルが強くなったかな(笑)。「あのころを乗り越えられたのだから」と思えば頑張る力が湧いてきます。

そんな大変だけれど実りのある数年間を経て、ようやくメニュー開発に携わらせていただけるようになったんです。

2020年現在、私はレクセル企画課の課長を務めさせていただいています。担当する業務は多岐にわたり、「カフェ レクセル」ブランドの企画業務では、店舗で販売する商品における市場調査・企画・開発・販促・落とし込みの一連業務。運営業務では、店舗の営業全般およびスタッフマネジメントを担っています。

その一環として、「カフェ レクセル」と、宝島社さんで展開する北欧デザインのライフスタイルブランド「kippis®」とのコラボ企画が行われました。

宝島社さんからお声がけいただいて実現した本企画なのですが、ドトールとしてもありがたいお話でした。新しいことをやろうとしても、どうしても「ドトールコーヒーショップ」の印象や成功体験が先行してしまうんです。

アパレル業界などからカフェ業態に進出する企業が増えたり、反対にカフェ事業やライフスタイル事業からアパレルを始めたりと、業界の垣根を超えた取り組みがどんどん増え、競争が激化している現状です。だから、われわれとしてもライフスタイル提案型のカフェなど新しいチャレンジをするべきだという課題を持っていて。異例の速さでコラボが決まりました。

「カフェ レクセル」と「kippis®」のコラボ企画

最初のコラボでは10月1日の“コーヒーの日”にあわせて、「カフェ レクセル」の店内で提供している4種類のスペシャルティコーヒーを、新たなギフトパッケージのドリップコーヒーとして販売。

その後、第2弾として12月5日からフィンランド人の料理家・ヨハンナさんと共同開発したオープンサンド「スモーブロー~スモークサーモン&ローストポーク~」などのコラボメニューを発売し、12月14日には第3弾としてHappy Bag(福袋)の販売を開始しました。

Happy Bagとして販売したトートバックには「kippis®」のタグと「カフェ レクセル」のタグを付けたり、宝島社さんが展開する北欧の「kippis®」のオリジナル・テキスタイルを使ったりしました。

商品でのコラボのほかにも「kippis®」を使ったクッションやファブリックボードなど、店内装飾に関する助力もいただいて。ただの商品コラボに収まらない協力体制が実現できたと思います。

とはいえ、コラボだからこその難しさはありました。業界が違う会社同士なので、これまでの常識にズレがあるのは当たり前なのですが、それを痛感しましたね。とくにスケジュールにおいては、会社間でスピード感が大きく違うので、十分にすり合わせして進めることの大切さを再認識いたしました。

しかし、それを踏まえてでもやってよかったと思います。ドトールだけでは得られなかった成果があるな、と感じましたね。

今回、「飲食」分野だけでなく、取り組みの弱い「物販」分野の可能性を探ることを意識していました。これまで物販といえば、コーヒー関連のものが多数でしたが、コーヒー以外のものでも、「かわいい」「デザインがいい」などの付加価値があれば売れる!という感覚があったので、そこにチャレンジしたんです。

するとどうでしょう。Happy Bagの予約を開始した際には、店舗の開店時間と同時に申し込みに来てくださったお客様もいらっしゃいましたし、店舗のない地域の方からは「送料がかかってもいいので送ってください」という相談の電話を多数いただくなど、大きな反響があったんです。

このコラボ企画は、大きな学びと達成感を得ることができたすばらしい経験でした。

ドトールの変化を肌で感じ、描く“未来図”

ドトールでこれまで働いてきて、近年とくに、チャレンジできる社風になっていると強く感じます。何かやってみたい、こうしてみたいという意見において、耳を傾けてもらえる風土があります。

あと、女性が活躍しやすい環境になっているのを感じます!とくに企画の分野では、ターゲットが女性ということもあり、意見を述べやすく、聞いてもらえる、そして採用されるケースが多々見受けられます。女性の意見が求められていると感じることができるのは、ドトールの大きな魅力ですね。

私の入社当時から、だいぶ変わったように感じます。正直、今の20・30代の方が羨ましいなとすら思います(笑)。そして、さらに今変わろうとしているんです。これまでの良さは生かしつつ、時代にあったものに進化していく。これは社内においても、社外に対しても同様ですね。

大変なことも多々ありますが、だから形になっていくのが楽しい──この醍醐味を味わえるのも大きな魅力だと思います。

そんな環境で、私はどのように働くべきなのか。意識していることがふたつあります。ひとつは「身近な人がハッピーに働けるように」ということ。ハッピーを追求した先に、やりがいとか喜びがあると信じているんです。

そして、もうひとつは「食」を通して「やすらぎ」と「活力」を届けること。ドトールの魅力は、生活に密着した「食」に関わり、それも「やすらぎ」の要素が強いこと。ただおいしいものを提供するだけでなく、「活力」となるものをお届けする。

なので今後は「幸せの連鎖」をつくることを目標に働きたいです。幸せに働く社員がレクセルの魅力を高め、それがお客様の幸せへと還元される。そんな連鎖を、私をきっかけに起こしていけるように、頑張りたい。そして、ゆくゆくは「レクセルといえばこれ!」という商品を生み出せたら最高ですね。

N. Ugajin
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