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株式会社ドトールコーヒー

Enjoy the taste of Doutor anytime, anywhere.For a relaxing, refreshing time, just like at a café.

コーヒー鑑定士に聞く“味わいの楽しみ方”/珈琲道のプロに聞く。

コーヒーは産地や焙煎方法など、あらゆる要素が掛け合わさって唯一無二の香りや風味を生み出します。長野氏はコーヒーの奥深さに惹き込まれ、日本で初めてコーヒー鑑定士の資格を取得しました。
今回は、カッピング技術やコーヒーの苦味・酸味の楽しみ方、日常で飲むコーヒーをさらに楽しむコツについて、長野氏にインタビューしました。毎日の一杯がさらに特別なものとなるよう、長野氏の知識と経験をお届けします。
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Profile

株式会社ドトールコーヒー 商品本部 関東工場・関西工場 品質管理課 課長

2009年に日本で初めて「J.C.Q.A認定 コーヒー鑑定士」資格を取得。現在は資格を活かし、品質管理課において製品の検査や品質管理業務のほか、生豆の選定・格付けを実施。また、社内のコーヒーに関する教育にも携わり、豊富な知識と経験の共有を進めている。

トピックス
  1. コーヒー鑑定士が学ぶ知識は幅広い
  2. コーヒーの豆の品質や風味を見極める「カッピング」
  3. コーヒーの苦味を楽しむには?
  4. コーヒーの酸味を楽しむには?
  5. とにかく多くのコーヒーを飲んでほしい

コーヒー鑑定士が学ぶ知識は幅広い

──長野さんが取得したコーヒー鑑定士とはどのような資格なのでしょうか。

コーヒー鑑定士が学ぶべき分野は、生豆鑑定・商品設計・品質管理の3つです。すべての分野における筆記と実技で合格すると、コーヒー鑑定士に認定されます。
生豆鑑定では、コーヒー生豆の外観から生産国・グレードが識別できるか、カッピング(後述)によってさまざまなコーヒーを正しく評価できるかといった、実践的な課題を行います。商品設計ではあらゆる製品の特性理解を深め、擬似的なブレンド作りの場面が与えられ、それに対してどのようなコーヒーの組み合わせ・煎り度合い・挽き方を提案するか理由も含めて回答します。品質管理は工場に関する要素が大きく、工程の管理や基準値をどのように決めるかといった品質管理の基礎や表示法に関連した知識などが問われますね。

──とても幅広い知識が問われるのですね。コーヒー鑑定士を取得するためにどのくらい勉強されたのでしょうか。

取得までは2年ほどかかりました。2008年に品質管理の分野に合格、2009年に残りの2分野で合格し、最初のコーヒー鑑定士となりました。その年は私を含めて3名の合格者がいましたが、成績順による取得でNo.000001の認定番号をいただくことができました。

──コーヒー鑑定士の資格を取ろうと思ったきっかけは何だったのでしょう。

「コーヒー屋として、もっとコーヒーのことを学びたい」という気持ちからです。コーヒーインストラクターの2級や1級を取得していく中で「もっと上級の内容があるなら受けてみよう」という向学心を駆り立てられましたね。

コーヒーを知りたくて学び始めたことが、今では社内に伝える側の役目も果たしているので、とても意義のある取得だったと感じています。

コーヒーの豆の品質や風味を見極める「カッピング」

──コーヒー鑑定士の生豆鑑定の試験にもある「カッピング」について教えてください。

「カッピング」という言葉はあまり聞かないかもしれませんが、コーヒー豆の品質を評価する方法のことです。カッピングはもともとブラジルで始まったと言われていて、その後各生産地にも広がっていきました。どのコーヒー生産国にも数多くの農園があり、品質にばらつきがあります。品質に影響する原因のひとつに欠点豆があるのですが、欠点豆が入っているとコーヒーの香りや味わいに大きく影響するんですよね。見た目でわかる欠点豆は選別機で除去できるのですが、見た目ではわからない欠点豆も存在するので、抽出して初めてわかる悪い味や香りがないかを見つけるためカッピングを行います。

具体的には、各サンプル豆を小型の焙煎機で焙煎し、それを挽いた粉をカッピンググラスに入れてお湯を注ぎます。お湯を注いだ直後には、グラスの上の方に粉が浮いてきて粉の層ができます。そのまま4分ほど蒸らした後、カッピングスプーンで攪拌して抽出します。すると、粉は沈んで上澄みに飲める状態のコーヒーができるので、それをスプーンですするようにして評価します。

──長野さんはカッピングをどのような時に行うのでしょうか。

契約する豆を選定する際などに実施します。常においしいコーヒーを提供するために、ドトール基準に照らしてカッピングをすることによってコーヒーのロットを選定しています。いやな味や香りがないことが大前提ですが、各生産国らしさが感じられ後口がクリーンなものを厳選しています。時にフルーツやハチミツのようなフレーバーを感じたり、心が落ち着くような心地よい口当たりのカップに出会えることもあります。そんなときは鳥肌が立つような感動を覚えますし、そのコーヒーをお客様にお届けできると思うとワクワクしてきますね。

コーヒーの苦味を楽しむには?

──コーヒーの特徴である苦味について教えてください。

コーヒーの味わいは、生産地の違い、精選工程、焙煎手法、焙煎度合などによって変わりますが、そのなかでもコーヒーの苦味は、主に焙煎によって生まれます。生豆の状態ではカフェイン以外の苦味成分はほとんどありませんが、焙煎するにつれて苦味が増していきます。色も深煎りになるにつれて濃い茶色になっていきますが、実はその色素が苦味の主成分だということもわかっています。

精選手法によってもその味わいバランスが異なり、苦味に違いが出ることもあります。例えば、ブラジルはナチュラル(非水洗式)という手法が中心で、摘み取ったコーヒーチェリーをそのまま広げて乾燥させます。一方、コロンビアはウォッシュド(水洗式)という手法が中心です。果肉を剥いて発酵槽の中で発酵させてから、水洗いした後に乾燥させます。ブラジルのようなナチュラル精選では酸味が抑えられるため、相対的に苦味を感じやすくなります。

──コーヒーの苦味を楽しむためのコツを教えてください。

とにかく、自分の好きな苦味の度合を見つけることが大切です。まずは少量を気軽に試せるパーソナルドリップのアソートなどが探しやすいと思います。ドトールの『香り楽しむバラエティパック』には、異なる煎り度合の商品が入っているので、それを比べて自分の好みを探すのもよいでしょう。『コクと深み 香ばしブレンド』や『直火焙煎ドリップ』は、苦味が好きな人におすすめです。

ドリップコーヒー ドトール 香り楽しむバラエティパック 8P
4つの味わいが楽しめるドトールコーヒーの香り楽しむバラエティパックです。 毎日飲んでも飽きのこないラインナップを取り揃えました。
【まろやかブレンド】
酸味・苦味・コクのバランスが良い味わい
【香ばしブレンド】
深煎りの香ばしさとコクのある味わい
【モカブレンド】
豊かな風味と円熟した酸味のある個性派
【キリマンジャロブレンド】
さわやかな香りとキレのあるのどごし
ドトール コクと深み香ばしブレンド 6P
コーヒー豆をじっくり丁寧に焼き上げた、コクと深みの香ばしブレンドです。
ほどよい苦味とキレのある味わいに仕上げました。
ドトール 直火焙煎ドリップ 15P
直火焙煎でコーヒーの美味しさを引き出し、バランスの良い飲み心地に仕上げました。
飲むシーンを選ばない、香ばしくまろやかな味わいです。

また、苦味が強いコーヒーは甘いスイーツとの相性がいいと言われています。ケーキやクッキーなどの洋菓子はもちろんですが、私は大福やわらび餅など和菓子との組み合わせも好きですね。

コーヒーの酸味を楽しむには?

──苦味が好きな人がいる一方で、酸味を好む人もいます。コーヒーの酸味には、どのような特徴があるのでしょうか。

焙煎度合が浅煎りの方が酸味を強く感じられます。また、浅煎りは酸味だけでなく、豆が持っているフレーバーも感じやすくなりますね。対して、深煎りになると深煎りコーヒー特有の香りが強くなり、もともとの豆の特徴が薄れてしまう傾向があります。

酸味を楽しみたい人は、豆のフレーバーも一緒に楽しむとよいでしょう。一言に酸味と言っても、華やかな明るい酸味や柑橘系の酸味など幅広いので、豆の特徴を知って自分の好みを探すのが酸味を楽しむコツです。

──酸味が強いタイプかどうか見極める方法は他にもあるのでしょうか。

焙煎度合以外にも、産地の違いや精選手法によって特徴的な酸味を持つものがあります。力強い酸味で有名な産地はコロンビアやケニア、タンザニアなどです。例えば中米の国々のコーヒーにも、ウォッシュドで仕上げたコーヒーであれば酸味があるのですが、コロンビアやケニアに比べるとさらっとした味わいになります。力強いボディ感とともに酸味を楽しめるコーヒーとしては、この3カ国がおすすめです。

対して、やさしい酸味で特徴的なのはエチオピアのモカコーヒーです。特にエチオピアのシダモ地方の中でも限定されたエリアで栽培される「モカ・イルガチェフェ」は、やさしい酸味と爽やかでフルーティーな味わいを楽しむことができます。

──コーヒーの酸味を楽しむためのコツを教えてください。

苦味のあるコーヒーは甘いスイーツと合わせることをおすすめしましたが、酸味のあるコーヒーはフルーツを使ったスイーツと合わせると相性が良いですね。

ドトールの『いろどりドリップ モカイルガチェフェG1』は特徴的なフレーバーでおすすめです。また、『暮らしの珈琲 ドリップアソート』には、コロンビア、タンザニアの豆がブレンドされているので、酸味を楽しみたい方はこちらもおすすめです。

ドリップコーヒー ドトール いろどりドリップ モカイルガチェフェG1 1P
エチオピアイルガチェフェ地区で収穫された輸出規格最上位豆を100%使用しています。爽やかな酸味と優しい甘味でマスカットのようなフルーティーな香りが華やかな気分を演出してくれます。
ドリップコーヒー ドトール 暮らしの珈琲 ドリップアソート 30P
1日のはじまりから心やすらぐコーヒータイムまで、様々なシーンにおすすめしたい3つの味わいを取り揃えたドリップアソートです。毎日の暮らしをもっと楽しむために、過ごす時間や気分でコーヒーを選んでみませんか?
【さわやかブレンド】
すっきりキレのある後味
【あじわいブレンド】
心地よい苦味とコク
【やわらかブレンド】
やさしい香りのまろやかな味わい

とにかく多くのコーヒーを飲んでほしい

──長野さんはどのようにコーヒーを楽しんでいるのでしょうか。

鑑定士というとブラックばかり飲んでいると思われるかもしれませんが、実は自宅では牛乳入りのコーヒーをよく飲みます。その際は粉を多めに使い、お湯は少なくして濃いめのコーヒーを淹れて、それを牛乳で割って飲みます。一般的な濃度のコーヒーに牛乳を入れると味が薄くなってしまいますが、濃いめに淹れることでしっかりしたコーヒー感やほろ苦さも残り、牛乳が入っても良いバランスになります。私は中深煎りより深めのハイロースト〜フレンチローストあたりの豆を合わせるのが好きですね。

──長野さんのお気に入りの産地を教えてください。

個人的にはケニアが好きです。ケニアコーヒーの中でも、マンゴーのようなフルーツのフレーバーやボディ感が強く、甘みや酸味のバランスが取れているものが好みです。カッピングでケニアの豆が並ぶとワクワクしますね。

──最後に、読者の方がコーヒーをより楽しむためのアドバイスをお願いします。

私がケニアを好きになったのは、たくさんのコーヒーを飲む中で素晴らしいと感じるケニアコーヒーに出会うことができたからです。初めて素晴らしいフレーバーを持ったケニアコーヒーを飲んだときには本当に感動しました。自分の好みを見つけるには、とにかくいろいろなコーヒーをたくさん飲んでみるしかありません。

焙煎度合も含めて、最初から「苦いから嫌だ」と決めつけずに、幅広いおいしさや楽しみ方があることを知ってほしいですね。コーヒーには限りない可能性があるので、ぜひ自分のお気に入りを見つけてください。

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