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アルバイト、店長を経てスーパーバイザーへ。ドトールで叶える「コミュニティの未来」 S. Kato

S. Kato
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一杯のおいしいコーヒーを通じて、お客様にやすらぎと活力を提供するドトールコーヒー。加藤 俊は、アルバイトから社員、店長、スーパーバイザーと、さまざまな形でドトールと関わってきました。お客様が自然に集い、リラックスできる“コミュニティの場づくり”をしたいと語る加藤のこれまでと、今後の展望をご紹介します。

オーナーと二人三脚!店舗特性に合わせて戦略的にサポート

学生時代4年間のアルバイト勤務を経て、2012年に新卒として株式会社ドトールコーヒー(以下、ドトール)に入社した加藤 俊。都内3店舗の店長を歴任したあと、大阪の新店立ち上げに参画し、東京に異動します。現在は、フランチャイズのコンサルタントを行うスーパーバイザーとして、都内約20店舗を担当しています。

フランチャイズのオーナー様に伴走する形で、店舗の運営や経営管理のサポートをしています。新商品の販売促進方法や、新しいスタッフのトレーニング方法について一緒に考えることもあります。コロナ禍で先が見えにくい状況ということもあり、店舗の経費を削減するために、一緒に家賃交渉に行くこともあります

オーナーの年齢層は40~80代と幅広く、初めてお店を持つ方もいれば、30年以上お店を経営してきた方、また多店舗展開される方まで経歴もさまざまです。

広い年齢層の方と関われることで、いろいろな考え方に触れることもできるので、楽しい面がとても多いんです。自分の倍以上人生を歩んできた方と一緒にお仕事させてもらうと、自分の知識や経験のなさが浮き彫りになることもありますが、日々学びながら、店舗運営をサポートしています

新型コロナウィルスなどの外部環境や季節性、店舗レイアウト、接客、雰囲気など、さまざまな要素が店舗運営に影響を与えます。加藤は日々直接店舗に出向いて、今の状況を確認し、スタッフとコミュニケーションを取るように努めています。大切なのは、オーナーはもちろん、店長、パートナー(アルバイトスタッフ)とも話をすることだ、と加藤は語ります。

オーナー、店長、パートナーそれぞれ立場が違います。同じ事柄を伝える場合でも、相手の前提を理解した上で、それぞれが納得しやすいように、伝え方を工夫しています

都内にある店舗だけ見ても、駅前、商店街の中、ショッピングセンターに入っているなど、立地が異なります。エリア特性や客層、ニーズも異なるため、戦略の立て方にも知恵が必要です。

どの店舗でも本部の施策をしっかり理解していただいたうえで運営していかなければいけません。店舗によって特性がかなり異なることもあり、本部側と店舗側の目線をそろえて戦略を立てるのはなかなか難易度が高いのですが、それが面白さでもありますね

ドトールの店舗は「地域コミュニティの場」
居心地の良い空間を提供したい

加藤は、大学入学当時からパートナーとしてドトールで働いていました。ドトールとの出会いは、幼なじみの友人の存在がきっかけだと言います。 

友人がドトールの面接を受けたところ合格したので、『じゃあ私も』という感じで応募してみたのがはじまりでした。それからドトールで働くのがとても楽しくて。店長やパートナーみんな仲が良く、お客様との距離が近い店舗で、卒業するまで4年間働きました

加藤が働いていたのは、1日に何度も来店する常連のお客様が多くいる店舗でした。昨日まで知らない者同士だったお客様が、ふと見ると挨拶し合っていたり、隣に座って楽しそうに会話していることもあったと言います。ドトールの店内で繰り広げられるそんな光景に、加藤の心は大きく動かされました。ドトールが街にあることで地域のコミュニティを作っている。そう確信した加藤は、入社を決意したのです。

先輩店長の背中を見ながら1年間研修したあと、2年目からは店長として店舗を任されました。店舗で一緒に働くパートナーとは、年が近いと話しやすいものの、たとえば主婦の方は自分より年上であることがほとんど。どのような距離感でマネジメントすべきか加藤は悩みました。

楽しく働こうというのがベースにあったんですが、実はぶつかることも多かったですね。自分がこうしたいという想いを一方的にパートナーに押し付けてしまって、ギクシャクしたこともありました。今思えば、もっと会話を増やして、相手の考えや伝えたいことを最初に受け止めたらよかったという反省もあります

現在は、同じ悩みを抱えている店長たちに、自分の体験を伝えることもあると言います。

加藤が店長時代に大切にしていたのは、日々の積み重ね。いつも変わらぬ安心感でお客様を迎えることが「居心地の良い空間作り」につながるのだと加藤は語ります。

毎朝必ずドトールの店舗に立ち寄り、コーヒーを飲んでから1日をスタートさせるお客様にとって、ドトールはもはや生活の一部。それなのに店舗側の要因で不快な思いをさせてしまっては、その1日が台無しになってしまいます。不備や不満だけでなく、お客様を不安にさせないようにしようと、パートナーにも共有し、細心の注意を払っていました

念願かなってスーパーバイザーへ
──理想と現実のギャップに苦悩する日々

店長を経験したあと、加藤はスーパーバイザーへと昇進。念願の役職に就いたものの、理想と現実のギャップに苦しむことになりました。

今まで経験してきた直営店の店長とは違い、スーパーバイザーはフランチャイズのオーナー様と接する仕事です。社外の方と密接に関わる経験がなかったので、なりたてのころは、言葉遣いなどビジネスマナーの面で苦労しましたね

加藤の強みは、ドトールでのアルバイト経験があり、店舗運営における全ての立場を経験していること。それぞれの立場でモチベーションが上がる声のかけ方や、店長時代に経験したエピソードなどの実体験を伝えることができます。そんな加藤ですが、スーパーバイザーになった1年目に、担当している50代のオーナーとぶつかったことがあったと言います。

お店の汚れが目についたので『清掃しましょう』とか『どうしてできないんですか』とか、そんなことを繰り返し発信していたんです。でも、オーナー様からは『言いたいことはわかるけれど、できないものはできない』と言われてしまって。険悪なムードになってしまいました

たとえ正論であっても、状況や優先順位によっては、すぐに対応できないこともあります。またできていないことを何度も指摘されるのは、心理的に辛いケースもあります。加藤はオーナーの目線に立てずにいた自分を猛省し、「伝え方」についてさらに深く考えるようになりました。

相手に伝えるためにどんな言葉にしたら良いのか、どう表現すると受け止めやすくなるのか、思考してから伝えるようになりました。“相手の立場に立つこと”は、言葉で言うと簡単ですが、実際にはまだまだできていない部分もあるかもしれません

「伝えたい」気持ちを抑えて、より「伝わること」にフォーカスした結果、次第に関係性が深まったと言います。最後にはオーナーから「担当を変えないでほしい」と言われるまでに信頼関係を築くことに成功しました。

この経験から、伝えたいことをただズバッと指摘するのではなく、どう表現すれば受け入れてもらえるのかを考えて話すようになりました。それによってオーナー様も私も変わることができる。自己成長を感じられる仕事だと思います

もっとドトールを好きになりたい
──理想実現のために前進し続ける

コロナ禍において、ドトール本部と加盟店オーナーの橋渡し役であるスーパーバイザーの役割にも変化が生じてきています。外食産業へのダメージが広がり、経営の存続に不安を感じるオーナーの気持ちに寄り添い、打ち手を探し、できることから実行しています。

店舗が生き延びるためにできることはとにかく全部やろう、と思っています。例えば感染対策の消耗品に対する助成金、市区町村で出している補助金などの活用もそのひとつ。常にアンテナを張って情報収集を怠りません

協力金のオンライン申請や郵送書類の印刷など、補助金や助成金に関する申請サポートも新たな仕事に加わった加藤は、常に勉強を続ける努力を惜しみません。

喫煙ブースの設立補助金を申請した頃からでしょうか。情報を知っているだけで、協力金が得られたり、補助金が下りたりというメリットがあります。でも、知らなければ何も入ってこない。
何百万というお金が入ることもありますから、オーナー様のために率先して動くことが重要だと考えています。またオーナー様に伝える前に、自分がまず理解しないとしっかり伝えられないことも実感しました

そんな加藤の次の目標は「課長」になること。アルバイト時代からドトールに関わり、店長、スーパーバイザーへと昇進を重ねた現在、何かを変えていくような影響力を持ち「理想のドトールコーヒー像」を実現しようと模索を始めています。

課長の主な仕事は、スーパーバイザーのマネジメントを行うこと。担当店舗数も100店舗近くと格段に増えます。関わる人の数、店舗に対する影響力や裁量もより大きくなります。

自分が好きで入った会社ですから、もっと好きになりたいです。人に教えることも好きなので、過去には近隣の店長を集めて勉強会をやったこともありました。スーパーバイザーが持っている知識や経験を、新卒社員や店長候補者などに伝えていくこと、教育も今後やりたいことの一つです。

日々いろいろな情報をキャッチしながら、あらゆることに精通する。自身も成長しながら、影響範囲を広げ、ドトールで一緒に働くすべての人に貢献したいと加藤は語ります。

自分自身が成長しないと、オーナー様にもっと利益を出していただくことはできません。責任があればあるほど、仕事はやりがいがあると思っていますし、頑張った分だけ自分に経験値としてはね返ってきます。だからこそ、もっともっと突き進んでいきたい

より多くの人にやすらぎと活力の場所を提供したい、その場がドトールであってほしい、という想いを持ち続けている加藤。「地域コミュニティの場」の中心であり、一人でも多くのお客様がくつろげるドトールの未来を思い描きながら、今日もオーナーやパートナーと邁進します。

Y. Araki
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K. Nakamizo