社長メッセージ

よりクリエイティブに、情熱的に。これからのドトールコーヒーの未来を、あなたと創り変えていきたい。

代表取締役社長 鳥羽豊

自ら考え行動する集団に

2005年に社長に就任し、まずやらなければと感じたことは、会社の意識を変えることです。
ドトールコーヒーは、創業者の強力なリーダーシップによって、業界トップという大きな成功を手にしました。これまでは、社長のトップダウンで会社を牽引していくスタイルでしたが、会社の規模がこれだけ大きくなると、指示待ちではなく、全員が主体的にものを考えスピーディーに行動できる人材に成長していくことが、最重要であると考えました。自分で思考してチャレンジをし、失敗や試行錯誤を重ねながら一人ひとりが会社とともに成長していく。そんな集団作りを目指しました。

「こだわり」の文化の継承

「こだわり」はドトールの企業文化そのものです。社内は「こだわらずしてドトールじゃない!」という空気にあふれています。原材料からコーヒー、フードメニュー、接客サービスのクオリティ、什器、食器、デザイン…様々なディテールに自分たちの描く理想モデルがあり、これを深く追求し、実現していくことに関しては、他社が容易に追従できない徹底した「こだわり」が根付いているという自負があります。こうした社内文化は永遠に変わらざるドトールのDNAだと思っています。

企業理念は実践の中で深められる

企業理念は絶対的なものです。新しく社長に就任した時、企業理念も社是・社訓も見直そうと思いました。ですが、一語一句深く読んでいけばいくほど、会社のあるべき姿を非常に良くまとめている言葉であり、事業として目指すべきものと合致していたため、いっさい変更点が見当たりませんでした。
その決断が「やすらぎと活力を提供する」ことにつながるのか。やろうとしていることが「常に最高の品質を追求し、より多くのお客様に喜びと心の豊かさを提供する」ことなのか。仕事において、何を最優先すべきか判断に迷った時は、企業理念、社是・社訓を読み返し、これを指針に行動しています。皆さんもドトールに入社し、理念を実践の中に置き換えた時に、企業理念や社是・社訓の大切さが実感として深く理解できるようになるでしょう。
ドトール コーヒー コーポレートサイト「企業理念」

新しい「やすらぎと活力」のかたち

『ドトールコーヒーショップ』は、長い間ナンバーワンのブランドで市場をリードしてきました。しかし、頂点にいたがゆえに足元の市場が見えなくなっていました。チャレンジするよりも保守的に守ろうとするムードすらありました。一方、この頃はシアトル系のカフェが台頭してきた時期でもありました。われわれはセルフサービスのコーヒーショップを文化として日本に根付かせてきました。しかし、時代とともに変化をしなければ絶対に存続できない、という危機感を抱きました。創業30周年というタイミングで、今こそ新しいドトールコーヒーショップをブランディングし直し、企業理念の「やすらぎと活力」や「こだわりの文化」の新たなかたちを、次の時代に向けて示すことで、これからも多くのお客様に『ドトールコーヒーショップ』を愛していただけるよう創り変えていきたいと思いました。

リ・ブランディングにおいては、何より「ドトールコーヒーショップ=クリーン」なイメージに一新しようと考えました。お客様から持たれていた狭い、煙草臭いといった印象を、完全に払拭することが必要だと思いました。そのため、イメージカラーとして清潔感を強く印象づける「白」を打ち出そうと考えました。明るく鮮やかな白いファザードに、ゆったりおくつろぎいただける空間演出、店内照明、クッションの弾力、背もたれの角度、完全分煙を実現するための空気の流れなどディテールを含め、何もかも一からこだわりながら見直しました。

リ・ブランディングは社内の意識改革

新しい『ドトールコーヒーショップ』は社内では「白ドトール」と呼んでいますが、長らく愛されてきたブランドの刷新には、実は社内はそれほど積極的ではありませんでした。成功している時に変わることが、受け入れがたいことだったのかも知れません。多大なコストをかけて実行していくことが正しいのか。本当に成功し得る方向なのか。そうした不安が常に社内に存在しました。「白ドトール」に改装するたびに、お客様調査を実施し、印象度、満足度について検証を続けました。その結果、お客様にわれわれが考える新しい時代の「やすらぎと活力」の提案が着実に浸透している実感を得ることができ、社内の意識も変わりました。リ・ブランディングは、お客様へのイメージアップのみならず、社内の革新への「気持ち」を作る役割が非常に大きかったと思います。

若手を巻き込んだ新業態の開発

リ・ブランディングだけでは、次代のドトールを牽引していく力が足りないと考え、ドトールの強みを活かし派生させた業態として『ジャーマンドックカフェ』『ドッグカフェ』、サードウェーブコーヒーの流れをくんだ新業態として『カフェ レクセル』を新たに開発しました。
『ジャーマンドックカフェ』は、フードの代表格でもあるジャーマンドックをメインにした派生業態で、ソーセージとベストマッチするパンは新たにこだわり開発したものです。羽田空港と仙台に出店しましたが、お客様からは大変好評です。今後はマーケティングに力を入れ、新たなお客様ニーズを取り込みながら進化させていきたいと思います。このプロジェクトにはすべての過程で若手を参加させました。メンバーが失敗を恐れて委縮しないよう、私から「自分たちのイマジネーションや感性を思う存分にぶつけていい」と発信し続けました。皆で一緒に試作品を食べ、忌憚なくディスカッションし合いましたが、これによって社内のクリエイティビティが非常に活性化したと思います。

トップダウンだけでは良いものが生まれない

『ドッグカフェ』は、犬連れのお客様が、ゆったりした気分を楽しめる新しいカフェです。私はほとんどノータッチでした。「好きなようにやっていい」とメンバーにすべてを委ねました。オープン日に来店し、そのセンスの良さに大いに驚きました。店内のグラフィックデザイン、小粋なユーモア、お客様や愛犬たちが主役というさりげない演出まで十分に配慮されており、トップダウンだけでは良いものが生まれないことを、あらためて発見するきっかけになりました。やる気、アイデアのある人が、自由闊達に新しいものを創造できる環境を会社として作り、彼らの生み出すビジネスに対して、後方からサポートできるような体制を、将来的にはしっかりと整備していきたいという思いにかられました。

サードウェーブコーヒーのムーブメントを歓迎

『カフェ レクセル』は、サードウェーブコーヒーの潮流に乗った新店舗です。最高においしい状態のプレミアムなコーヒーを1杯ずつ丁寧に抽出し提供する環境と、それにマッチした商品やサービスを支持してもらえる店舗として創り上げたのが『カフェ レクセル』です。私はこのサードウェーブコーヒーのムーブメントが拡がり、全世界的に多種多様なプレミアムなコーヒーが飲まれ、高品質なコーヒーの知識を持った、舌の肥えたお客様が増えることは、とても歓迎すべき状況だと思っています。そうした中、いかにドトールの存在感を示していくかが課題です。良い意味での競争は、ドトールのコーヒービジネスの深化と、企業としての進化を促すチャンスだと捉えています。

こだわりの商品開発で成長する営業部門

われわれは創業時より、コーヒー豆を飲食店や食品メーカーに納入する一般卸売営業を続けています。そんな営業部門が大きな転換期を迎えたのが1998年のこと。コーヒーチェーンとして初めてチルド飲料の分野に参入し、市場に革新を起こしました。コーヒー専門店の本格的な味わいを可能な限り再現するために、香料・着色料無添加で開発された「ドトール カフェ・オレ」は、発売と同時に大ヒットを記録しました。当時は無添加のチルドコーヒー飲料はどこにも存在せず、新しい提案が市場に受け入れられたことが、大きなヒット要因でした。競合他社がドトールをターゲットにし、様々な商品攻勢をかけてきましたが、ドトールも対抗し商品ラインナップを拡充させるなど、市場のさらなる攻略に挑みました。画期的な商品を生み出すたびに他社から追従されましたが、そうした状況は非常に楽しかったですね。
現在では、取引先もコンビニ各社、スーパー、量販店、生協、さらに海外まで領域が拡大し、お客様との接点となる販路も大幅に増え、ビジネスは飛躍的に成長しています。毎回革新を続けない限りシェアを奪われてしまう競争の激しい世界ではありますが、ドトールの「こだわり」が存分に通用するという確かな手応えを掴んでおり、将来的にも大きな期待を寄せています。

海外市場は将来の成長源

海外を視野に入れたビジネスは、今後いっそう注力していきたいと考えています。
現在、ドトールブランドのチルドコーヒー、缶コーヒー、アイスクリーム、ジュース、紅茶などの飲料は、海外の様々なメーカーとのコラボレーションにより開発されています。そして販売された商品のすべてが、その国の販売記録を抜くヒットをしており、非常に勢いのある事業分野です。われわれには、徹底したこだわりに基づく「ドトールクオリティ」というものが常に存在します。そして、どんな環境の中でも高品質な商品を開発できる力が、海外でも実証でき得ています。コーヒーといえばドトール、高品質といえばドトールという強いブランドに仕上げ、よりグローバルな市場への攻勢を考えています。
店舗展開においては、現在、台湾、シンガポール、マレーシアに『ドトールコーヒーショップ』を出店しています。今後は、現地のライフスタイル、おいしさの基準、求めるものを深く学びながら、着実に現地で愛される店舗を増やし、同時にメイド・イン・ジャパンのコーヒーショップである強みを構築することにもトライしたいと思っています。

アウェーで戦うために必要なタフさ

海外と比較すれば、国内でのビジネスは楽なのだと思います。言うまでもなく、海外では言葉や価値観、生活習慣も商習慣も違います。ドトールのブランド力も通用せず、ゼロベースから市場を創造していかなければならない厳しい世界。必要なのは、語学力以前に、根底にある人間としてのタフさなのだと思います。成功している会社は、環境が整っていない海外というアウェーで戦える資質を持つ、情熱的でタフな社員を抱えています。海外では「自分が切り拓いていくんだ」というパッションが何より大切であり、それがあれば、言葉やスキルは後から付いてくるのではないでしょうか。

ドトールならではの貢献が夢

環境や社会への貢献については、今まさに社内で大きなテーマとなっており、ドトールらしい貢献のあり方を模索しています。
環境貢献については、省エネ、食品リサイクル、ゴミの分別と再資源化など、一般的な企業が行っていることについては徹底しています。
社会貢献については、東日本大震災における義援金募金活動、渋谷駅周辺の美化活動、カンボジアの学校建設支援などを行ってきましたが、ある意味では、真にお客様に商品やサービスを通じて「やすらぎと活力」を提供し続けるビジネス自体が、表面的ではない最も確実な社会貢献だと考えています。加えて、喫茶業を生業としている以上、何らかのかたちでコーヒー生産地である途上国に対して貢献しなければならないという気持ちを持っています。できれば、既存の仕組みを活用しお金を出すだけの貢献ではなく、われわれが現地に足を運び、人と直接触れ合い、肌で感じたニーズに丁寧に応えるような、独自性のある貢献をしたいという夢を持っています。
社会貢献・環境貢献

今求められるのは「解決する力」

社内には、仕事を通じて課題を発見する力はあると思います。しかしその先の、解決策を見つけ、会社に提案し、具現化していく力についてはもっと欲しいと感じています。特に、難題を解決しようとする場合、自分が培ってきた成功体験や常識を根底からひっくり返す勇気や、失敗を恐れず挑戦する行動力が欠かせません。自らチャレンジしたいという自発的な意思が多く生まれてくるような環境なしに、会社の発展はあり得ないでしょう。そのためには普段から、言われたことではなく、自ら気づいた課題に優先順位を付け解決していくクセを付け、一人ひとりがそれをやり続けるカルチャーを、しっかりと根付かせていきたいと思います。

新しいドトールはあなたが創る

会社に少しでも興味を持ったなら、可能な限り調べる努力をしてほしいと思います。就職活動でも、自分で考え、判断し、行動することが大切です。その判断基準を得るためにも、自分を知ることと同様、会社を知ることは大前提です。会社の文化や価値観に共感できるのか、自分の個性が活かせるのか、夢を実現できる場所なのか。われわれとしては、しっかりとした意思を持ち入社してきた若い人が活躍する場は、どんどん提供していきたいと思っています。
夢はすぐに実現できないかも知れないけれど、夢をあきらめず様々な壁を乗り超え成長した人たちが今、新しいドトールを生み出す最前線で活躍しています。そんな若い人の意見を聞くなど、コミュニケーションする機会も増やしています。自分たちが新しいドトールを創る!これからはそんな時代だと、私に感じさせくれる人。いい意味で生意気、そして情熱にあふれる人。そんな個性と数多く出会えれば大変嬉しく思います。